2019年10月21日月曜日

重度の歯周病の患者さんにレーザー治療を行った症例


こんにちは。ウケデンタルオフィスの本吉です。
先日、日本臨床歯科医学会 東京SJCD ハイジニストミーティングにて症例発表をしてきました。



この発表をするにあたって、院長先生に厳しくご指導していただき、そのおかげで無事に終えることができました。1年前に声がかかって少しずつ準備を進めていたものの、やはり当日迎えるまでは不安ばかりでした…。

歯科衛生士さんをメインに、来場された人数は140人ぐらいだったそうです。院内勉強会で発表することはありましたが、こんなに大人数の前で発表するのは初めてだったので緊張で体も声もガタガタと震えてしまいました。元々話をするのは苦手で、数人の前ですら上がってしまうほどのあがり症なのです。

しかし、最近は人前で話すことが多かったのもあって、いざ登壇となったらふっきれ、楽しくプレゼンすることができました。人前で話すのはやはり場数をこなすのが一番ですね。

当日は院長先生はじめ、勤務医の先生方やスタッフのみんなが応援に来てくれました。お休みの日なのにわざわざ聴きに来てくださり、感謝の気持ちでいっぱいです。

この数ヶ月は準備がすごく大変でしたが、今思えばよい経験だったと思います。症例を振り返ったり、改めて歯周病について勉強し直したりして、まだまだ勉強が足りないなと反省しました。これからも知識や技術の向上を目指して頑張ります。

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そこで今回は、発表した内容を少しだけご紹介させてください。

タイトルは「重度慢性歯周炎の患者に根面デブライドメントとEr.YAGレーザーを用いて非外科的歯周治療を選択した一症例」です。なんだか難しそうなタイトルですが、「重度の歯周病の患者さんに口腔ケアとレーザーで状態が安定してきた症例」と理解していただければと思います。

今その患者さんはずっとメインテナンスで診ているのですが、来院されたときは前歯がぐらぐらな状態でした。他の歯医者で「抜かなければならない」と言われたそうですが、それがどうしても受け入れられずに当院に来院されました。

歯周病の重症度は主に下記の2つで診断されます。
・レントゲンで歯に対して支える骨がどれぐらい残っているのかを確認する
・歯と歯茎の境目の溝の深さを図る(歯周ポケットの精密検査)

この方は根っこの先のほうまで骨の吸収が進んでいました。また、歯周ポケットは12mmで出血や排膿、水平的・垂直的な揺れも確認できました。歯周ポケットの正常値は3mm以下なので、かなり深いポケットなのがおわかりいただけると思います。以上のことから重度の歯周病であると診断されました。



カウンセリングで「なるべく外科処置のような積極的な治療は避けたい」とおっしゃっていたので、まずは非外科的な歯周治療を進めていくことになりました。歯周病の原因はプラークと呼ばれる歯垢です。なので、ご自身では新たな汚れがつかないように徹底的に歯磨きを頑張っていただきました。また、歯垢は歯にくっついたまま時間が経つと、石灰化します。それが歯石です。歯石になると歯磨きでは取ることができません。なので、歯石は歯科衛生士が除去していきます。

歯周病治療のメインはプラークと歯石を除去するこの2点が重要です。ですが、歯周病が進行してしまっている状態だと、このケアだけでは完全なアクセスと炎症の除去が難しくなります。ですので、当院ではこれらの処置にプラスしてレーザーを用いています。

歯科医師・石黒先生

レーザーは殺菌効果、解毒効果、内縁上皮や肉芽組織の除去に有効とされています。根面上への極めて小さい機械的刺激で、セメント質という歯の組織を守りながら、プラークはもちろん歯石も効果的に除去できます。

レーザー治療は歯肉結合組織と根面の付着を促進させるため、中等度から重度の治療において重要な役割を果たすと考えられています。そのため、当院ではレーザーを併用して非外科的歯周治療に取り組んでいます。

すると歯周治療を進めていくにつれて、出血や排膿はなくなり、歯の揺れも落ち着いてきました。レントゲンで確認するとここまで骨ができてきているのです。



歯周治療に頑張って来院してくれたこと、その後もメインテナンスで定期的にチェックしていたこと、何よりご自身で徹底的に歯ブラシを頑張っていてくれたおかげでこの結果が得られました。

当院にはこのように「抜かなればならない」と言われた歯でも、安定した状態を維持していけるよう患者さんのサポートをしています。もし何かお困りのことがありましたら、お気軽に当院までご相談にいらしてくださいね。

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