2020年12月1日火曜日

研修報告:歯周治療のゴールってどこ?

こんにちは

ウケデンタルオフィス表参道の石黒です。


今日は研修会参加の報告です😄😄

ウケデンタルオフィスでは、他に数件の歯科医院と合同で行っている勉強会があります。

年に何回か定期的に行われ、新しい情報の共有や既存の知識の再確認、症例検討など日々の診療のブラッシュアップの機会となっています。

先日は、歯周治療について勉強してきました。

その中で、ぜひ患者様と共有しておきたいと思ったことがあります。

それは、歯周治療のゴールはどこかということ。

よく患者様には歯周病は治りますか?と聞かれます。
ただ、患者様ごとに治ったときのイメージが異なるのです。

歯周病によって失われた骨もすべて元通りになると思っての質問であれば、残念ながら治りますよとお伝えすることはできません。

条件さえ満たせば再生療法という手段もありますが、すべての症例で適応できるわけではないのが現状です。


<<歯周治療のゴール>>

歯周治療のゴールは治癒、もしくは病状が安定することです。歯周治療における治癒とは、歯周組織が健康を回復した状態をいいます。

歯肉の炎症、歯周ポケットを検査する際の出血、そして歯周ポケットの深さが4mm未満、歯のぐらつきは認められない状態です。

病状の安定は、ほぼ歯周組織の健康は回復したが、一部の病変が休止した状態です。たとえば歯周ポケットを測った際に出血はないけれども、歯周ポケットは4mmあるといったものです。

治癒も病状安定も歯肉を含めて歯周組織の炎症がなくなった状態と言えます。

実際には歯周病精密検査で、全体のプラークの付着が10%以下、出血率が10%未満、ポケットが4mm未満というのが一つの指標といえるでしょう。


<<まとめ>>

歯周病における治癒とは歯周組織の炎症がなくなった状態をいいます。一般的な治癒という状態とは異なり、一度喪失した組織は回復しない状態でも治癒と解釈されます。歯周治療には歯周組織再生療法という一度失われた組織を回復させる治療もありますが、喪失した組織すべてを回復できるわけではありません。

まず、歯周病にかからないようご自身でお口の中の管理を行えるようになることが重要です。また、歯周治療後も歯肉の炎症がない状態を保つために、毎日の歯ブラシ習慣が重要です。


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